【注意】
 この話はいろいろと崩壊しています。
 読むにはそれなりの覚悟を持って読んでください。
 気分を悪くされても責任は取りませんのであしからず。
 大丈夫な方はどうぞ。
 ↓










 どっちだと思いますか?





 夜の10時。
 ナナリーはそろそろ寝る時間である。
 車椅子をお手伝いの咲世子に押してもらい、自室へと移動。
 そして、ベッドに寝かせてもらい、布団をかぶる。

「それではナナリー様。おやすみなさいませ」

 ナナリーの目には見えないが、咲世子は一礼し、部屋の外へと向かう。
 咲世子が部屋を出る前に、ナナリーは咲世子を呼び止めた。

「舞ってください、咲世子さん」

「え、あ、な、何踊りでしょうか? 私はソーラン節ぐらいしか出来ませんが……」

 ナナリー様は急に何を言い出すのだろう。
 咲世子は冷や汗を流しながら思った。
 それにしても、言われたら本当に1人でソーラン節をするつもりだったのだろうか?

「すみません、間違えました。待ってください、咲世子さん」

 ナナリーは顔を可愛らしく赤らめながら訂正した。
 咲世子は安堵の溜息を1つ吐き、ナナリーの元へと戻った。

「何でしょう、ナナリー様」

 するとナナリーは、私物凄く真剣に悩んでます、といった表情を浮かべ、重々しく口を開いた。

「咲世子さんは、お兄様とスザクさん。どちらが受けで、どちらが攻めだと思いますか?」

「…………」

「私としてはお兄様に攻めでいて欲しいのですが、お兄様は基本ヘタレじゃないですか。だから、お兄様が受けで、スザクさんが攻めだと思うんです」

 真剣な表情で言うナナリー。
 そんなナナリーに対して、咲世子は床に突っ伏していた。

(な、ナナリー様は今、いったい何て言ったの? ルルーシュ様が受けで、スザク様が攻め? 薔薇ですか? ナナリー様の頭の中は薔薇なんですか? あぁ……、私はいったいどこでナナリー様のお世話を間違えてしまったのでしょうか!!)

 なかなかにテンパっていた。

「咲世子さんはどう思いますか? 咲世子さん?」

「は、はい。私もルルーシュ様に攻めでいて欲しいですが、ルルーシュ様が受けで、スザク様が攻めというのが現状だと思います!! はいぃ!!」

「やっぱり咲世子さんもそう思いますか。すみません、呼び止めてしまって」

「い、いえ、お気になさらずに。おやすみなさいませ、ナナリー様」

「おやすみなさい、咲世子さん」

 咲世子は部屋の電気を消し、部屋を出てから頭を抱え、その場に蹲った。




 その頃、ルルーシュの部屋では――――

「あむ、もきゅもきゅもきゅ、ごくん。…………むぅ、この新発売のあずきと白玉の甘味ピザは失敗だな。アンケートに書いておこう」

 1人の魔女様が、うげぇ、と顔を青くしながら新発売のピザを食べていた。
 部屋には甘ったるい匂いとチーズの匂いが充満している。
 ルルーシュが部屋に戻ってきたら、間違いなくブチギレるであろう。
 とまぁ、そんなことは置いといて、ナナリーに薔薇要素を吹き込んだのは、この魔女様だったりする。